手軽に増やすことができるのも食虫植物を栽培する楽しみのひとつです。丈夫な種類であれば、特別な技術や設備は必要ありません。生長はゆっくりですが、着実に増やすことが出来るでしょう。
セファロタスを葉挿しで増やすには、葉を根本から取り外すように丁寧にはがし、湿ったミズゴケに先端を埋めておくと一ヶ月くらいで発根し、そのまましばらくすると用土から小さな芽が地上に姿を現してきます。
ミズゴケに挿したセファロタスの葉には十分な光を当て、湿度と通気を保ち、用土も乾燥したり水浸しにならないよう、親株と同様に管理します。
セファロタスの葉挿しにおいて、ポイントは若くて大きな葉を使うということです。たとえ大きく立派な葉でも、古い葉ではうまくいかないことが多いです。
サジ型の葉でも捕虫葉でも発根しますが、捕虫葉は食虫植物であるセファロタスにとって栄養を得るための重要な器官でもあり、何より鑑賞価値の高い部分ですので、通常はサジ葉を用いて葉挿しを行います。
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セファロタスは良好な環境で栽培すると、一年ほどで生長点が10箇所くらいになりますので、植え替えの際にこれを株分けします。
セファロタスは葉挿しで増やすよりも株分けで増やす方が短期間で大きな株を得られるため、葉挿しは植え替えのときに余ったサジ葉でついでに増やすくらいで良いでしょう。
モウセンゴケは葉を外してミズゴケの上にのせておくだけで増やすことができます。このときハサミで切り分けたりせず、葉の根元を持って下へ引っ張りながら、はがすようにします。100円ショップなどで売られている深めのタッパーを利用すると便利です。
このほか、ピグミードロセラはムカゴで増やすこともできます。ムカゴとは珠芽(しゅが)のことで、その正体は丸い形をした脇芽です。野外で十分な日照を得たピグミードロセラは、冬に向けてムカゴを作りますので、これを湿った用土の上に蒔いておくと、簡単に増やすことが出来ます。
なお、ムカゴはたいへん小さいのでミズゴケに蒔くと流れてしまいます。このため用土には川砂やピートモスのような隙間のないものを用います。また、水は決して上からは与えず、鉢の底から吸い上げるようにします。
ウツボカズラは挿し木で増やします。葉が6枚になったら上部の三枚を切って挿すのが良いです。親株からは1ないし2の新芽が出てくるので、この方法がいちばん失敗がありません。
挿し木用に挿し穂を切り分けるハサミの選択もポイントのひとつで、とにかくハサミは剪定用の鋭利なものを選びます。
いくつもに切り分けても増える種類もありますが、一度にたくさん増やそうとするよりも、一株ずつ着実に増やしていくことをおすすめします。